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【ラズパイ】ラズパイ用タッチパネル比較【3.5インチ・7インチ】

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名刺サイズのミニコンピューターとして有名な『Raspberry Pi』。
LinuxベースのOSを搭載していることで、C++やPython、Javaなど
さまざまなプログラミング言語を使って遊べる、
安価で高性能なおもちゃです。

今回はその『ラズパイ』用の小型ディスプレイ、つまりLCDを
比較紹介、また使用感をいくつか書きたいと思います。

接続の種類

Raspberry Pi』には標準でHDMIGPIO端子があります。
電子工作をやっているひとにはおなじみのポートかもしれません。
ラズパイ』ではこの二つの端子のどちらか、または両方を用いるパネルが多いです。

このふたつの違いをまず紹介しましょう。

HDMI接続

HDMI』とは「High-Definition Multimedia Interface」の略です。
規格自体が策定されたのが最近であり、簡単なケーブル一本でデジタル情報を
すべて高速でやりとりできるものです。
PS4などのゲーム機でも使用されており、現在最も主流と言える方式でしょう。
ラズパイ』をHDMIディスプレイに接続して使っている方も多いでしょう。

GPIO接続

GPIO』とは「General Purpose Input/Output」の略称です。
こちらは文字通り汎用入出力端子として一般的に用いられており、
映像出力に決して最適化されているわけではありません。
出力される映像自体もアナログで、画面の上から下へ、
目に見える速度で更新される程度のものとなっています。
ただ3.5インチなどターミナルしか使用できないようなサイズであれば
それほどの問題は感じませんし、なによりコンパクトに収まります。
一方で電子工作でGPIOポートを使いたい人にとっては
ポートの半分以上を占拠してしまうこの方式は向かないでしょう。

これらの出力方式をしっかりと確認してからLCDを購入しましょう。

今回用意したLCD

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  • 左:Elecrow 7インチHDMI液晶ディスプレイ 1024X600
  • 右上:OSOYOO HDMI 3.5インチLCDディスプレイ 1920×1080
  • 右下:Kuman GPIO 3.5インチディスプレイ 320×480

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実際に開封してみるとこんな感じ。
どれも基盤むき出し。(そもそも段ボールからして怪しい感じですが)

LCD①Kuman GPIO 3.5インチディスプレイ 320×480

こちらはGPIO端子接続のディスプレイ。
ケース付でこの値段は普通にお得…に見えますがあんまりそんなこともなく。

まずはケースなのですが、アクリル板を打ち出しただけの簡素なものです。
ぱちぱちとくみ上げていけばまぁ使えないこともないのですが、
何度か組みなおすとぽきりと割れて使えなくなります。
付属のヒートシンクはPi3など発熱に不安がある場合は多少お世話になるかも…。

更に、このLCDでの問題はドライバの入手が面倒、ということです。
繋げば映るっていうわけじゃないんですよね…。
一応、付属のCDにはドライバ導入済みのOS『Raspbian』が入っていますが、
そのOSをわざわざ導入しなおすのも面倒ですのでネットから入手します。
結局その作業にはHDMIディスプレイが必要になります。仕方ありません。

ドライバの入手

KumanのディスプレイはWaveshareという会社のものなので、
ネットでそのドライバを探します。

Waveshare Wiki

上のサイトで自分の端末に見合った最新バージョンのドライバを導入しましょう。
作業はターミナルで行います。
HDMI接続をしつつ、GPIOポートにLCDを取り付けて作業しましょう。
(ターミナルのコマンドについては細かく解説は入れません。)

sudo rpi-update
sudo reboot
(再起動)
sudo apt-get update
sudo wget http://www.waveshare.com/w/upload/〇/〇/LCD-show-〇.tar.gz
sudo tar xvfz LCD-show-〇.tar.gz
sudo ./LCD35-show

ここまで入力すると再起動が行われ、途中から『LCD35-show』というドライバが
ブートの際にロードされ、LCD側から画面に出力が始まります。

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上:実際に動作している状態

画面の回転などは付属のCDのPDFに詳しく描かれているので省略します。

KUMAN GPIOの使用感

こちらの製品ですが、解像度に難あり…という感想が大きいです。
フレッシュレートが低いのも合わせてもターミナル操作ですら
ウィンドウサイズが間に合わず苦労する始末。
ただ値段の割にはしっかりとしたセットになっていると思います。
一番気に入ったのは…ヒートシンクです…。

LCD②OSOYOO HDMI 3.5インチLCDディスプレイ 1920×1080

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(在庫切れにてリンクなし)
こちらはHDMI接続のディスプレイ。
Kumanのものとインチ自体は同じですが、解像度が違います。
「320×480」だったのが「1920×1080」!!
……めっちゃくちゃ怪しいですけど買ってみました。

ドライバの入手

「HDMIだからドライバいらんやろ」と思っていましたがこちらの製品、
HDMIとGPIOどちらも使うんですよね。ということでドライバ必要!
上と同じようにネットから拾ってきます。(地味に苦労しました)

sudo rpi-update
sudo reboot
(再起動)
sudo apt-get update
sudo wget http://osoyoo.com/driver/LCD_show_35hdmi.tar.gz
sudo tar xvfz /LCD_show_35hdmi.tar.gz
cd LCD_show_35hdmi
sudo ./LCD35_720x480

今回はドライバの解像度設定が複数あり、
「LCD_show_35hdmi」というディレクトリから好きなものを選択します。

OSOYOO HDMIの使用感

実際に1920×1080は出来たのか。
結論、できましたよ、出力は。ルーペが要りますけど。
かろうじて実用レベルなのが720×480ですが、
それでも目が痛くなります。結局320×480くらいじゃないと文字が見えません。

ただ値段の割にはちゃんとHDMIのディスプレイです。
細かな設定もKumanのものよりはし易かったです。
またこちらも「コの字HDMI」というレアな代物が付属し、
そのおかげでコンパクトにラズパイ基盤に収めることができます。
画面のレスポンスも圧倒的にこちらが滑らかなので
Kumanのものを選ぶよりはこっちを選ぶのが正解でしょうね。

LCD③Elecrow 7インチHDMI液晶ディスプレイ 1024X600

今回の大本命。7インチで1024×600の解像度のディスプレイです。
値段が純正のものより安いのに純正より解像度が高いという点で
魅力に負けて購入しました。やはり基盤はむき出しですけど。

5-2. 接続・ドライバの導入

HDMI端子から映像出力、さらにマイクロUSBケーブルで給電をします。
これだけで普通に問題はありませんが、タッチパネルはドライバが必要です。

…ですが今回はすごいです、なんと『Github』からダウンロードできます。
付属のDVDに方法はすべて書いてあるので今回は割愛します。

Elecrow 7インチの使用感

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問題なし!(むしろびっくりです
このようにアクリル板でケースを自作し使用しています。
流石に純正のもののように持ち歩きするには無骨にはなってしまいました。
ただ気になる点があるとするなら、ケーブルがどうしても
邪魔になってしまいます。それを解消するために画面を回転させると
タッチパネルが上下左右反転して反応してしまい、その解消のために
起動オプションをいじらなくてはなりません(上二つも同様ですが)。

それでも値段に比べれば圧倒的なパフォーマンスです。
とはいえケースも用意されている純正品や、秋月電子で販売されている
IGZO(こちらもケース付)等に比べるとやや見劣りがしなくもないです。
この判断は個人の裁量の範疇でしょうね。

その他『ラズパイ』対応ディスプレイ

今回は購入を控えましたが、ラズパイ対応のディスプレイをいくつか紹介しましょう。

純正品のディスプレイです。解像度は800×480となっています。
注意点として、こちらはiPadのような液晶フレームこそついていますが
端子はフレキシブルケーブルでの接続のようです。
利点としては接続方式が複数あるうちから選べることでしょうね。
ただそこそこいいお値段がします。

純正ディスプレイ+ラズパイ本体のケースです。
非常にコンパクトで持ち歩きにも適しているでしょう。

こちらは『pi-top』。より安価な『CEED』モデルも存在します。
ラズパイをラップトップパソコンにしてしまおうというものです。
ケース+液晶+キーボード+トラックパッドと充実していますが、
値段はかなりのものです。
こちらの購入も考えましたが某サイトでのレビューで少し
残念に見えて控えました。

『ラズパイ』対応以外のディスプレイでも…?

今更ですが、なにも『ラズパイ対応』に固執する必要もないんですよね。
持ち歩きを前提にしないのであれば、カーナビ用のHDMI液晶等でも代替が可能です。
(まぁそれなら普通にHDMIモニターでいいじゃんとなりますが)

いろいろな選択肢が考慮でき、そのなかで自分なりにいいものを
作れるのが『Raspberry Pi』のいいところです。
ぜひご自分でいろいろ調べてみてください。